育児・子育て

チャイルドコーチングの資格を持つママが伝授!ケンカが減る子供との会話術

「宿題やった?」は実はNGワード

みなさんは、日ごろ子供との会話でこんな質問をしていませんか?

「宿題やった?」「ピアノの練習したの?」「出かける前にトイレ行った?」

このような質問をした後、子供はどんなリアクションを返してきますか?

「今やろうとしたとこだよ!」「うるさいなぁ!」「ほっといてよ!」

こんな返事が返ってきて、「何その口の利き方!」と親は怒り心頭。子供はやるべきこともやらず、ケンカに発展してしまうことはありませんか?親は質問をしただけなのに、なぜケンカになってしまうのでしょうか。

実はこの「宿題やった?」のような質問は、子供にとってはNGワードです。やる気を起こすどころか、逆に会話を続けようという意思すら奪ってしまいます。

では、どんな質問すれば、子供とケンカにならないのか。やる気を出してくれるのか。チャイルドコーチングで学んだ『会話術』をお伝えしますね!

質問は大きくわけて2種類

子供相手だけではなく、人がする質問には大きく分けて2種類あります。

オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンです。

オープンクエスチョン(開かれた質問)

5W1H(いつ、どこ、だれ、なに、なぜ、どのように)でたずねる質問

相手が自由に話すことができる質問

クローズドクエスチョン(閉じられた質問)

「はい」か「いいえ」で答えられる質問

質問の内容は、すべて質問をする側のために作られている

上のように分類した場合、「宿題やった?」はどちらだと思いますか?

「やった」か「やってない」のどちらかで答えることになるので、クローズドクエスチョンですね。

では、なぜクローズドクエスチョンだと相手の機嫌を損ねることになってしまうのでしょうか。
(※1)

クローズドクエスチョンに隠れた親の意図

クローズドクエスチョンは、質問者が相手に確認をとる場合に使われます。親は子供が宿題をやったのかどうかを確認したくて質問をしているのです。それは決して悪いことではないはずです。

しかし、質問するときにこんな意識が隠れていませんか?

「宿題、まだやってないんじゃない?」

どうですか?心のどこかで「どうせまだやっていないだろう」という憶測を持って、子供に質問していませんか?

もし、このような憶測がなかったとしても、疑惑をチェックされているのではないかとプレッシャーを感じさせてしまうのが、このクローズドクエスチョンなのです。

こちらにそのような意図はなくても相手にプレッシャーを与えかねないので、注意が必要なのですが、振り返ってみると一日に何度もクローズドクエスチョンをしていることもあります。

「ママは私が宿題やってないって決めつけて聞いているのではないか」と思ってしまったら、怒れてきても当然ですよね。

たとえ宿題をやっていないという事実があったとしても、親に信用されていないということの方が子供にはショックなのです。それが、子供の「うるさいなぁ!」の反応に現れているということですね。

では、オープンクエスチョンなら、どんな形でもいいのでしょうか?次はその点を確かめてみましょう。

オープンクエスチョンの効果

オープンクエスチョンは、相手が自由に答えることができるとお伝えしましたが、こちらも2種類に分類ができます。

「いつ、どこ、誰」を引き出す限定質問と「何、なぜ、どのように」を引き出す拡大質問です。

限定質問は、過去に起きたことを聞く質問に使う場合、クローズドクエスチョンと同様に質問者が引き出したい答えがあります。

「いつやったの?」「どこに行ってたの?」「誰と一緒にいたの?」となりますね。

一方、拡大質問は、相手の視点を広げ『気づき』を促す質問と言われています。相手が自由に思考を巡らせ、考えることができるのです。

しかし、この質問においては「なぜ」を使う際に注意が必要です。(※2)

「なぜ」の質問 ここに気を付けて

「なぜ」と理由を尋ねるとき、その後に続く文脈によっては相手の本心を聞き出せないこともあります。

「なぜ」+過去の良くない事柄

「なんであんなことしたの?」「なんでこんな点数とってきたの?」という質問をしたことはありませんか?

これは、相手の本音や事実を聞き出す『質問』ではなく、相手への禁止事項を反語表現にし、相手を責めているだけの『詰問』になっています。

質問者の意見である「あんなことしたらダメでしょう!」「こんな点数じゃダメでしょう!」というセリフを、表現を変えて発言しているだけということです。『詰問』は相手から裏切られ、怒りを覚えたときにする『心理的仕返し』として用いられます。

その為、このような質問をする際に、怒りの感情が出てしまい、口調が責め立てるようになることが多いです。この状況では、子供は本心を言えなくなってしまいますよね。

親が帰りの遅い子供を心配して「なんで連絡してこないの!」と問い詰めるのも同じです。

たとえ子供の身を案じて出た言葉だとしても、子供は親の言葉の裏にある「責める気持ち」を感じ取り、反抗心を募らせてしまうかもしれません。

「なぜ」+過去のうまくいった事柄

例えば、逆上がりの練習をしている子供が初めて成功したとき、「なんで今うまくできたんだと思う?」という質問をすると、子供は今起きた成功体験を振り返り、自分なりに分析しようとします。

それは、もう一度成功しようとする意欲にもなりますし、次なる成功体験へのステップになります。

ただ、この際子供は「沢山練習したから」「強く足を蹴ったから」「よくわかんない」「風が吹いたからだ!」と自分なりに考えて理由を言うでしょう。

その理由は、親からしたらちょっと的外れな内容のこともあるかもしれませんが、それはあくまでも「子供が考えた理由」です。子供が風のおかげで成功できたと思うなら、次も風を感じればうまくできるかもしれません。そこは子供の感性に任せて、せっかく考えた理由を「そんなわけないじゃない」と一蹴しないようにしたいですね。

「なぜ」+未来の事柄

「なんでこの習い事をしたいの?」「なんでこの課題をやろうと思ったの?」といった質問は、制限なく自由に答えることができる質問です。

人は、未来について理由を問われると、計画や道筋を見つけようとします。子供自身が自分を高めるための方法を自ら見つけようとすることを促すことができるのです。

親が予想する答えよりも想像力に満ちた子供の返答がかえってくるかもしれません。自分で見つけた理由を口からアウトプットすることで、さらに前向きに事柄を捉えることができますし、普段の会話から取り入れるといいかもしれませんね。

ただし、この時も親が子供の選択をやめさせようとする意図を含んで質問した場合は、質問ではなく詰問になりますので気を付けましょう。
(※3)

クローズドクエスチョンが必要なとき

クローズドクエスチョンは、子供にプレッシャーを与えることがあるとお伝えしましたが、クローズドクエスチョンが有効的な場面もあります。

子供が自分で答えを見つけられないときは、親が選択肢を示してみると、頭で話を整理でき、会話を続ける意欲がわく場合もあります。

子供が友達とケンカをし、仲直りをしたい場合、「どうすれば仲直りできると思う?」と聞いても、いい考えが浮かんでこないこともあるでしょう。

そんな時、「じゃあ、前にケンカをして仲直りしたことはない?」と過去の経験の振り返りを促すクローズドクエスチョンをすると、子供が一旦正解を見つけようとすることを休み、冷静になることがあります。経験を振り返った上で、再度オープンクエスチョンに切り替えてみると、会話が継続されるかもしれません。

「クローズドクエスチョンだからダメ」と考えてしまうと、親も質問ができず会話が広がりません。バランスよく投入することをおすすめします。

あなたのコミュニケーションは「会話」?「情報収集」?

さぁ。ここで、もう一度ご家庭の会話を振り返ってみましょう。

「宿題やった?」に始まり、「トイレ行った?」「今日出すプリントはない?」などのクローズドクエスチョン、「夕飯何食べたいの?」「どうしてこんなことしたの?」など、情報収集に偏った質問ばかりになっていませんか?

もちろんその質問の奥には、親の「早く済ませなきゃ間に合わない」「子供にご飯を残してほしくない」「無駄な行動をとりたくない」などの思考があり、ある程度は家族と共に生活する上で必要不可欠なコミュニケーションでもあります。

しかし、「子供の自由な発想を促し、自分らしい考えを引き出す質問」を、日頃の会話の中に組み込むことができたら、子供が自ら新しいアイディアや気づき、楽しい夢を描くきっかけになるかもしれません。意識して質問してみるといいですね。
(※4)

我が家でも実践!ヒーローインタビューで質問上手に!

ここからは、ママが質問上手になるテクニックをお伝えします。その名も、「ヒーローインタビューごっこ」です。

我が家では日常的に取り入れています。子供がやる気を出すだけでなく、ママも質問に頭を悩ませず、子供の視点を広げるような質問を上手に投げかけられるようになってきます。

例えば、日頃なかなか手伝いをしてくれない子供が配膳を手伝ってくれたり、苦手な歯磨きを頑張ってやってくれた後など、少しでも子供が努力した・成長したなと思ったことがあれば、すかさずマイクを向けましょう。ママは右手で拳をつくり、マイクを持っているインタビュアーになりきってください。

そこで、「いやぁ、○○選手。今日は素晴らしい配膳をしてくれましたね!今日うまくいったポイントは何ですか?」と、子供にヒーローインタビューをしてみてください。

「特に前歯の歯磨きが素早かったですね!どうしてあんなに早くできたのですか?」

「明日もお手伝いはどんなことにトライしたいですか?」

など、「なぜ」+過去の質問、「なぜ」+未来の質問を積極的に聞いてみましょう。

最後に「みなさん!本日のヒーロー○○選手に大きな拍手を!」と、ママが拍手をしてあげましょう。

もちろん、インタビューを嫌がる子供もいるかもしれませんので、無理に押し通したりはせず、最初はクローズドクエスチョンから始めてもいいかもしれませんね。

また、寝る前のインタビューもおすすめです。布団に入ってから、

「今日は幼稚園で何をして遊びましたか?」
「明日はどこに行きたいですか?」
「今日のお着替えはとても速かったですね!コツはなんですか?」

など、ポジティブな質問を投げかけることで、子供は一日を振り返り、充実した気分で眠りにつくことができます。

今日一日頑張ったことや、自分の成長を実感できるので、自己肯定感を高めるのです。

楽しい親子の時間を過ごしながら、子供の自信を引き出すとてもいい機会になるでしょう。

ぜひ、やってみてくださいね!

子供からのおしゃべり攻撃も和らげる『質問』

いかがでしたでしょうか?子供への質問、楽しくできそうですか?

子どもがずっとしゃべりかけてきて疲れるという親もいるかもしれませんが、そんなときも『質問』は役立ちます。

こちらから質問すると、子供たちも頭をフル回転させて応えようとするので、少しだけおしゃべりが緩やかになります。

こちらも話を聴いて相槌を打っているだけよりも、質問を考えることに集中するので、普段よりよく子供の話に耳を傾けるようになります。適当な相槌を打って「ママ聞いてるの?!」と怒られることは少なくなるでしょう。

コミュニケーションが増えるだけでなく、子供の発想も豊かになり、自己肯定感も高まる『会話術』、ぜひご家庭で試してみてくださいね。

【参考文献】(※1)(※2)(※3)(※4)あべまさい『子育てコーチングの教科書』ディスカヴァー21 2015年

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