「とわ」という響きからは、ごく最近になってから使われ始めた、新しく現代的な印象を受けます。
「とわ」の漢字を調べると、「永久」という言葉が出てきます。
似たような言葉に「永遠」がありますが、これを「とわ」と読ませる曲名もあります。
名前においても「永遠」と表記することは珍しくありません。では、なぜ「永久」や「永遠」を「とわ」と読むのでしょうか。
その点を掘り下げながら、その他にどのような漢字を「とわ」の響きに当てることができるのか、名前の由来にする場合はどういったものが相応しいのかを考えながらご紹介していきます。
『永久・永遠』を「とわ」と読む名前
「とわ」という名前から、まず考えられるのは『永久・永遠』という2つの言葉ではないでしょうか。
始まりは大和言葉
大和言葉とは、私たち日本人の先祖が生み出した、日本独自の言葉です。
漢字の成り立ちや意味に直に結びつけて読む漢語や外来語とは異なり、日本人が持つ優れた美的感覚から生まれた、感情や思いに沿う、いわばイメージで作られた言葉であると言っても良いでしょう。
その中に、永遠に変わらないことを意味する「常=とこしえ・とことわ」という言葉があります。この中の「とことわ」が変化して、「とわ」という言葉が生まれたと言われています。
永久・永遠 その意味は?
「永久」とは、果てしなく続くこと。
熟語で見ると、永久歯・永久磁石のように、物理的事柄に使われることが多くあります。
一方で「永遠」とは、時間的や感情的に果てしなく続くこと。些細な違いがありますが、どちらも限りなくずっと続くことを意味しています。
これから始まる子供の人生において、ずっと続いてほしい・続けてほしいと願う親としての想いを託し、この2つの漢字を検討してみてはいかがでしょう!
込める名前の由来例
日本人は古い時代から、言葉をとても大切に扱ってきました。
響きが美しいもの、字面が美しいもの、それらから感じ取れる思いを素敵に表す和歌は、言葉を大切にしてきた日本人の心がしっかりと表れていますよね。
そんな時代の中で生まれた「永久・永遠」という言葉の読みとなる「とわ」。言葉の成り立ちにちなんで由来付けることもできますし、言葉自体が持つ意味になぞらえる由来も素敵です。
◆物事を大切にできる心の美しい人に成長してほしい。
◆伝統を重んじながら、日本人らしい優れた美的感覚を大切に育んでほしい。
◆語彙力を高め、会話の上手な子に育ってほしい。
◆相手の心を考えて言葉を使うことのできる思いやりのある子に。
◆元気に健康に、長く長く、人生を楽しむことができますように。
◆いくつになっても夢のある毎日を送ってほしい。
◆幸せが永遠に続きますように。
◆パパ・ママからの愛情が永遠であることをしっかり受け止めて成長してほしい。
活発なイメージの『とわ』50選
元気いっぱい!活発で向上心が高く、自分をしっかり持った強さも感じられる名前をご紹介します。男の子らしさ溢れる漢字ばかりです!
男の子らしさを表す名前
跳和・登和・飛羽・跳羽・翔羽・翔和・冨和・冨羽・冨倭・富倭・翔倭・十倭・十我・翔我・飛我・翔若・跳若・富若・冨若・登若・登羽・登我・登倭・刀羽・刀若・刀我・刀倭・音倭・音羽・音我・渡和・渡羽・渡八・渡我・兜我・兜倭・兜和・征和・征我・征羽・都羽・都我・都八・都和・百我・百輪・百羽・百環・冨沸・十沸・刀沸・百沸・翔沸
◆跳羽…いつも明るく元気いっぱいの男の子に!
◆富倭…紆余曲折ある人生を楽しみながら未来の成功を手に入れてほしい!
◆渡八…広い世界に出てたくさんの可能性の中からチャンスをつかみ取ってほしい。
◆都和…明るく賑やかで平和な毎日を過ごすことができますように。
◆登若…向上心とパワーにあふれた元気っぱいな男の子に。
『八』の字はすっきりと見えてバランスが取りやすいだけでなく、“末広がり”なので縁起の良い漢字だとされています。
2つに分かれたラインから“物事の分かれ目”という意味も持っており、決断する力や、自分の人生を選んで進む自由さ、創造性など、色々な方向からの由来を考えることができるでしょう。
『都』からは東京都、京都府などに使われる通り、賑やかな街並み、活気ある雰囲気が想像できます。
明るく元気いっぱいなイメージを持たせたい名前にはぴったりです。昔は中心地となる場所を「都」と呼んだことから、古風で上品、美しいといった印象も強い漢字です。
温厚なイメージの『とわ』16選
人の和を大切に、仲間に囲まれて過ごす人生はきっと豊かなものになることでしょう。人や絆、相手への思いやりをテーマに漢字を選んでみました。
人に対する想いをテーマにする名前
十和・人和・仁和・同和・同輪・十輪・人輪・仁輪・仁環・人環・同環・斗環・十環・灯和・灯羽・灯八
◆人和…人の和を大切にする穏やかな雰囲気が印象的な子に。
◆同輪…仲間を大切に強い絆を育んでほしい。
◆人環…未来まで続く良き出会いに恵まれますように。
◆灯和…人の心をぽっと照らすような和みの雰囲気を持った子に。
『環』は、訓読みに「めぐ(る)」があります。漢字にすると「巡る」。
成り立ちのひとつに、使者の霊が生き返ることを願う儀式を表しているという説があります。左側の「王」はその際に用いる美しい宝石を表しています。
人の魂が後世まで続いて行くこと、自然界すべてのものに命があって絶えず巡っていること、またそれらの命は絶対的に尊重されるべきものであることなど、生きる者にとってとても大切な意味が込められている漢字のように思われます。
名前にこの漢字を選ぶとすれば、その意味を大切にできる子供に育てていきたいものですね。
車輪のように丸い形状のものを表す『輪』。この漢字は「永久・永遠」、そして先にご紹介した「環」に通じる意味を持つように思われます。
仏教では「大地を支えるもの」という意味を持つ漢字として捉えられています。
「金輪際(こんりんざい)○○しない!」という言葉は、「大地を支えるもの=底の底まで・とことん・どこまでも」という由来で生まれた言葉だそうです。
深く遠い大地の果て、それは物事すべての根底であり今に続いている。すべての物は大地を通じて繋がっている、そんな壮大なスケールで捉えて使ってみてはいかがでしょう。
植物をイメージする『とわ』27選
自然をテーマにする名前は人気がありますが、中でも植物は、地中に根を張るどっしりと落ち着いた印象を持たせることができます!
植物に由来する名前
桃和・桃輪・桃羽・桃杷・十杷・斗杷・登杷・柊和・柊羽・柊輪・橙和・橙羽・橙我・杜和・杜羽・杜環・杜我・土我・土羽・土葉・斗葉・十葉・柊葉・桃葉・橙葉・灯葉・冬葉
◆桃羽…未来にたくさんの実を結び、大きく羽ばたいてほしい。
◆橙和…温かく穏やかな雰囲気を持った男の子に。
◆土葉…大地にしっかり根を張り、青々とした葉のように生き生きと毎日を過ごしてほしい。
◆杜和…ゆったりと落ち着きのある平和な人生になりますように。
◆柊葉…柊のように強く逞しく成長してほしい。
『柊』とは、冬に花を付ける樹木です。冬に季語にもなっており、日本らしい漢字のひとつであると言えそうですね。
冬生まれの男の子だけでなく、寒さの中でも健やかに育つ強さを由来に結びつけると、季節を問わず使うことができるでしょう。
特徴的な葉のギザギザは昔から邪気を払うものとされてきました。
また成長とともにその棘が取れて丸くなっていくことにちなみ、「先見の明」という花言葉もあります。
明るく輝かしい未来を迎えることに期待しながら使う漢字としておすすめです。
『桃』もまた、昔から邪気を払う神聖なパワーがあるとされてきた植物です。
古くから女の子の成長を願う行事に用いられてきたこともあり、女の子の名前においては定番と言えるでしょう。
しかし、最近は俳優の松坂桃李さんの影響もあってか、男の子に使われることも珍しくなくなりました。
松坂桃李さんの名前は、中国に伝わる2つの言葉「桜梅桃李」と「桃李もの言わざれども下自ら蹊」に由来するそう。
どちらも名前の由来に結びつく、素敵な言葉です。
桜梅桃李
桜、梅、桃、李。これらすべては非常に似ていると思われますが、すべてが独自の魅力を持った花を咲かせます。
同じように、人にもそれぞれの個性があり、人生も未来もすべて人それぞれ。自分らしい道を歩み、自分らしい輝きを大切に素敵な未来を築いてほしい、そのような願いを込めることができます。
桃李もの言わざれども下自ら蹊
桃や李など植物は何も語ることはありません。しかし、花を咲かせ実を付けることを慕って多くの人が集まり、そこには自然と道が出来るのです。
つまり、人徳のある人は、弁舌を用いなくても、自然と人が集まって来るもの。
飾らず素直に生きる中で、周囲からの人望・信頼ある人に成長してほしい、そのような素敵な想いを込めて名付けることができます。
「とわ」という、名前においては現代的な印象を受ける響き。しかしながら、深く重厚な意味を持たせたり、想像以上に使える漢字があることをお伝えできたでしょうか。
名前に『漢字』を用いることにより、込めることのできる想いの幅がとても広いのは、日本人ならではのメリットのひとつです。
お子様にとっては一生の宝となる名前。じっくりと時間をかけて吟味し、最良の名前をプレゼントしてあげてくださいね!