生後0ヵ月~12ヵ月

未熟児の母になると予想されること(筆者の体験談を踏まえて)

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筆者は、五年前に28週すぎの超早産児の状態で娘を出産しました。その時の娘の体重は1500グラム以下。

その後娘は元気に成長して、おかげさまで今年5歳になりました。未熟児の赤ちゃんを出産されて間もないお母さま・ご家族の方々は、さぞ心配されているかと思います。

筆者の経験をもとに、これから先、未熟児を育てる中で予想されることを記し、ご安心いただくための助けとなることができればと願い、筆をとりました。



未熟児の定義

具体的には37週未満の「早産」で生まれ、2500g以下の低体重の赤ちゃんのことを未熟児と言います。早産で生まれた赤ちゃんは、未熟児であることがほとんどです。

未熟児は体の機能や免疫機能などがまだ未熟なので、誕生後すぐNICU〔=新生児集中治療室〕で、特別な観察とケアが施されます。

34週を過ぎればリスクが減る

早産でも、34週が一つの大きな境界になります。というのは、34週をすぎると、胎児の肺の機能がほぼ完成します。ですから34週以降に出生した赤ちゃんは、自分の力で呼吸ができる可能性が高くなります。

発育不全などがなければ、脳性麻痺や脳内出血の可能性も減り、赤ちゃんへのリスクはかなり少なくなります。

ただ、新生児集中治療室(NICU)での入院治療が必要になりますが、37週以降に生まれる正期産の赤ちゃんに近い状態になります。

28週、体重が1000g元気に育つ目安

「28週をすぎて、胎児の体重が1000g」がほぼ後遺症なく、元気に育つ目安と言われています。

「未熟児」は、出生時の体重によって、さらに細かく分けられることになります。

~2500g…低出生体重児
~1500g…極低出生体重児
~1000g…超低出生体重児

       

筆者の経験・早期破水のあと帝王切開

筆者は、28週3日で早期破水しました。妊娠6ヶ月頃からずっと早産の兆候があると言われていて、処方された張り止めの薬を飲んでいました。食生活にも気をつけている中で、突然の出来事でした。

早期破水から2日続けて、胎児の肺の成長を促すための注射を受けたあと、帝王切開で出産しました。(出生時の体重は上の表では、2の極低出生体重児に相当します。)

出産後の病理検査は異常なく、早産の原因はわからずじまいです。もともとの体質的なものか、ストレスによるものかもしれません。

家族に求めるサポート

帝王切開で早産をした筆者の経験から、周りの家族にしてほしいサポートについてまとめてみました。

帝王切開の心理的負担と身体的負担

筆者と同じような経験のあるお母さんは、ほとんどの場合帝王切開で出産されています。それは赤ちゃんの命を最優先し、脳への後遺症のリスクをなくすためです。

帝王切開は、母子の命を救うための「手術」です。ですから、かなり副作用の強い薬を点滴で入れている場合も多く、体への負荷は相当なものです。

また、不安や自分を責めてしまう気持ちも強く、心理的ストレスは計り知れません

お父さんは主体的に協力を

お父さんは、早産で生まれた赤ちゃんのリスク・成長について率先して勉強し、理解を深めていくことが大切です。

大人の感覚からしたら、1000gも1100gもあまり変わらないように感じるものですが、赤ちゃんにとって100gの差は、大きな違いです。

リスクを重々承知した上で、今後の生活は、赤ちゃんの健康面・栄養面を第一に考えてあげてください。

赤ちゃんは、しばらく入院することになりますが、お母さんは先に退院し、しぼった母乳を持って毎日のように面会へ通うことになります。

この間の搾乳(さくにゅう)は、2時間半〜3時間おきに起きて行わなければならず、まとまった休息はないに等しいものです。

お母さんは、「出産」と「開腹手術」を一度に経験しています。疲労や体への負担は相当なものです

お父さんは、家事・食事の準備はもちろんのこと、是非とも、主体的に自分のすべきことを考え、心身両面からお母さんのサポートに当たるように心を砕いてください



搾乳について

未熟児を出産したお母さんの母乳は、その赤ちゃんが生存するために必要な、多くの栄養素や免疫を含んでいます。赤ちゃんがかかってしまう可能性のある病気を予防してくれる効果のある“特別”なものです。

筆者の搾乳経験談

私も、質の良い母乳になるよう、自分の食事に、赤ちゃんに与えたいものを積極的に取り入れていきました。

直接、赤ちゃんが飲むことはできないため、搾乳は手作業で行うか、もしくは機械を使ってしぼります。

それを専用の母乳パックに入れて冷凍して、病院に持って行きます。搾乳するペースが開いてしまうと母乳の出は自然に減っていってしまいます。

赤ちゃんが退院して家に帰ってきた時に、母乳や混合で育てたい場合は特に、母乳維持のための入念なケアが必要です。

私の娘は、チューブで母乳と未熟児用の特殊なミルクを与えられていました。ところが、32週頃にミルクが嫌いだということがが判明して、母乳のみになりましたので、母乳は必須でした。

また、哺乳瓶も嫌いでした。ですからその後も離乳食が始まるまで、完全母乳で大きくなりました。

しかし、もちろん、母乳が与えられない場合でも、入院中は十分な栄養管理がされていますし、退院後も十分元気に成長しますので、どうぞ、ご心配やご無理はなさらずに、長い目で成長を見ていきましょう。

未熟児の赤ちゃんのリスク

28週以降に1000g〜で出生していて、赤ちゃん本人に発育遅延や生まれつきの問題がなければ、現在は、後遺症もなく、元気に成長するケースがほとんどのようです。

でも、やっぱり不安ですよね。ここでは、未熟児で生まれてきた赤ちゃんに予想されるリスクについてまとめました。

後遺症や病気のリスク

未熟児網膜症

「未熟児網膜症」については、NICUにいる期間を通して、定期的にしっかり管理されていますので、安心してお任せできます。

高ビリルビン血症(黄疸)

出生後、うまく赤血球を作ることができず、重度の高ビリルビン血症(黄疸)にかかりやすい傾向が強いようです。

あまりにひどい場合は、脳を守るために、治療法として、肌にブルーライトを当てる光線治療や、輸血などが行われます。

いくら治療法と言っても、親には、この上なく不安な単語が並びますね。しかし、これらの治療をしない場合、生まれた時は大丈夫だった脳に、黄疸による後遺症を残すリスクが高まってしまいます。私の娘も、緊急で、この治療を受けています

RS肺炎

退院後の注意点では、未熟児で生まれた赤ちゃんは、同じ病気にかかっても、普通の赤ちゃんよりはるかに重症化しやすいと言われています。

人混みの中に出かけていくのは、できる限り控えることが一番ですが、冬に流行るRS肺炎には、特に気をつける必要があります。28週6日までに生まれている赤ちゃんには、1ヶ月に一度、太ももに注射を打って予防します。

精神面の発達への影響について

NICU(新生児集中治療室)でのコミュニケーション

未熟児で生まれた赤ちゃんは、精神面の発達が遅れがちであるという報告もあるようです。

しかし、周りをみても、この原因は、単に赤ちゃんの月齢が低いことと、赤ちゃんが1:1の関わりの中で、ゆったりと話しかけられる回数が少ないなどの環境によるものもあると感じます。

NICUに入院している未熟児の赤ちゃんたちは、お母さんのお腹の中でまだまだ一緒にいるはずの時期の赤ちゃんです。

ご両親の面会は、時間の許す限り、赤ちゃんのそばにゆっくり滞在して、色々話しかけてあげてくださいね。赤ちゃんは、お母さんの温かい愛情を感じて、安心できます。

きちんと病院側の指導に従って消毒を行えば、保育器に手を入れることもできますから、赤ちゃんとのスキンシップも楽しみましょう。

娘は、生まれてすぐから、あまり寝ない赤ちゃんだったので、私も、搾乳の間をぬって、長めにNICUに滞在し、色々周りの様子を話したり、歌を歌ってあげたりしていました。

赤ちゃんは、早産で生まれてすぐでも、かなり周囲のことはよくわかっているようです。特に、耳はしっかり聞こえていて、様々な反応を返してくれますので、赤ちゃんとのコミュニケーションは楽しいですよ。

GCU(継続保育治療室)でのコミュニケーション

状態が安定すると、NICU及び保育器を卒業します。このあとは、継続保育治療室や回復治療室と呼ばれるGCUに移って、ケアを受け続けながら、体重が2300g以上になるの目指します。

低出生体重児が退院する一つの目安は、体重が2300g以上になることとされています。

GCUではご両親が、普通に抱っこやお風呂・オムツ交換などのお世話をしながら、退院準備を進めていきます。

ここでは、直接母乳を与えることもできますので、時間の制約もさらに少なくなり、ゆったりと関わりを深めることができます。
絵本を読んだり、歌ったり、遊んであげたりと、臆せずにどんどん言葉かけをしていきましょう!

情緒面の発達は言葉かけ・働きかけが大切

情緒面の発達については、未熟児だからと神経質になることはありません。胎教という言葉もあるくらいですから、特別に小さな赤ちゃんであってもわかっているので、コミュニケーションを取ることを楽しんでください。

1000g以上で生まれていて、脳室の出血なども見られなければ、情緒面や知力への早産の影響は、実際、過剰に心配しなくて大丈夫だと思います。

これらは、普通の赤ちゃんと同じく、遺伝や環境要素・食事などで大きく変化するものなので、赤ちゃんの成長する力を信じて、たっぷりの愛情で包み込むような言葉かけ・働きかけが大切だと感じました。

筆者は、当時、医学的なことは何も知らないまま、ずっと娘に歌を歌っていたり、反応に応じて遊んだりしていましたが、こういった働きかけは、赤ちゃんの発達に大きな効果がある、というイスラエルの研究結果がでていることを最近知りました。

また、イギリスの研究結果からは、童謡を聴いて育った赤ちゃんは、言語発達に大きなアドバンテージがあることがわかっています。

未熟児の身体の成長は、マイナス3ヶ月〜

体の発達が遅いことも、ご両親にとっては、心配の尽きないことですね。早産の赤ちゃんでは、本来の予定日を誕生日とする、「修正月齢」で発達を見ていきます。

未熟児で生まれた赤ちゃんは、その修正月齢の発達の目安に届かないことが多々あります。

未熟児の赤ちゃんには、未熟児に特化した「成長曲線」というものがありますので、主治医は、そちらを元に成長を見ておられます。

30週~で生まれ、出生体重が1500g以上あった赤ちゃんでは、1〜2年くらいで普通の赤ちゃんとあまり変わらなくなるようですが、1000gの赤ちゃんでは、体の大きさが追いつくのは、5〜6年ほどかかる場合が多いようです。

その子なりに成長していて、主治医からも特に指摘がなければ、どうか安心して、日々の栄養に心を配っていきましょう!

また、内臓の機能面については、もともと正期産で生まれていても、胃腸の発達が緩やかだったりということはあります。

赤ちゃん自身に、特に問題がないのであれば、一通りの機能が相応の発達ラインに追いついてくるのは修正月齢で一歳になるころ、とおおらかに構えていた方が楽です。

筆者の娘の成長ペース

筆者の娘も、(単に後ろ頭が大きいからかもしれませんが、)“修正”9ヶ月までは首も座らず、1歳まではおすわりもできず、移動手段は、連続寝返りのみでした。

外を初めて歩いたのは、“修正”で2歳になってからでしたが、今はもう親が追いつかないほど、すばしっこく走り回っています。

離乳食についても、首が座らなかったのと、歯が1歳4ヶ月まで一本も生えていなかったので、“修正”8ヶ月に入ってから始めました。

離乳食を与えることによるアレルギーの心配などが軽減されて、個人的にはこれはこれで良かったかな、と考えています。

同じ週数・同じくらいの体重で生まれている未熟児の赤ちゃんでも、発達の具合には、大きな個人差があります。

娘は、胃腸の発達は、特にゆっくりでした。(普通に大きく生まれた私も、同じ傾向があったので、純粋に遺伝的な素質のようです。)

一歳ごろから、急激に機能が上がって、全体的な体の成長の度合いも加速していきました。

未熟児の娘を育てた筆者が大変だと感じた4つのこと

未熟児の娘を育てた経験の中で、筆者自身が個人的にもっとも大変だと感じたことをあげてみます。

【1、24時間体制でたて抱きが必要だったこと】

娘があまりにカンが強く泣く性質だったため、吐き戻さないよう、退院後、最初の4ヶ月は丸々”24時間体制”でたて抱きが必要だったこと。

     
【2、排便のサポートが1年続いたこと】
   
胃腸の発達具合が遅いために、消化に時間がかかり、排便も丸一年近く、綿棒刺激などの手伝いが必要でした。これについては、一歳ごろには、大丈夫になりました。

【3、食べさせるのに相当な時間がかかったこと】

離乳食の内容が全く進まないまま、食べさせるだけで一日があっという間に過ぎた。
        
一度にたくさん食べられず、嚥下(えんげ:食べ物を飲み込んで胃に送ること)が苦手で、修正1歳(出産予定日だった日を誕生日とした時の1歳)を超えても、一日五回離乳食を食べさせる必要がありました。

ミルクは修正2歳近くなるまで、200ccを毎日二回、スポイトで一滴ずつ飲ませなければ、毎度むせ返っていました。

今は、体の成長こそ追いつき、未熟児だったというと驚かれますが、5歳の今も、未だに食べるのは遅いですし、まだ離乳食の最終段階のようなものしか食べません。

飲み物は普通です。それでも、体重は17kg、身長は成長曲線のグラフの平均から、2.5センチほど低いくらいまで育ちました。

ちなみに5歳の女児の平均身長は約109.8cmで体重が18.5kgほどです。

【4、2年間外出できなかったこと】

2年間は、娘の病院以外、どこにも外出できなかったのは大変でした。
      
外出を避けていても、一歳半で初めて、定期検診の際に病気がうつり、高熱を出して、一週間食べられない状態になりました。

当然、順調に増えていた体重も激減し、普通の乳幼児のように外出することは難しいと、さらに現実を突きつけられたようでした。

ただでさえ、言葉も通じない赤ちゃんと、一日中、部屋に二人で閉じこもっている状況だけでもきついと感じる方が多いですから、何かしら、お母さんが息抜きをして、この長丁場を乗り切られますようにと、心から願います。

家で、短時間でできるリラックス法として、ヨガや瞑想もオススメです。

2年〜3年もすると、そういった状況は「必ず」終わります。子供も次第に成長していきますし、気候がよくなれば、散歩に出ることもできます。そのうち、未熟児だったことは関係なく、一般的な子育てのことで色々考えなければならない、”普通の”日々がやってくるはずです^^

その日と、お子さんの成長を信じて毎日を過ごしてくださいね。


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