「上の子愛せない症候群」という言葉を聞いたことはありますか?
およそ4年前、人気女性誌「VERY」で特集されて以来、知られるようになったこの言葉。
私自身、10歳の女の子と6歳の男の子を持つママライターです。今思い返せば以前の私は「上の子愛せない症候群」だったのではないかと思います。
今回は「上の子愛せない症候群」の原因と症状、そしてその対処法についてまとめてみました。
この記事の目次
「上の子愛せない症候群」とは
「上の子愛せない症候群」とは、文字通り“上の子を愛することができない状態にある”ことを指します。この言葉を初めて耳にしたという方もいるはず。
もしかすると、このページに辿り着いたということは、何かしら心当たりがあるということかもしれませんね。
「上の子愛せない」という声
上の子より下の子の方が可愛いと思ってしまってどうしようもない。こんなことってあるの?上の子を愛せない自分がすごく嫌だ!!!
— (・゚ρ゚){a}(・A・#) (@zion1105) February 4, 2014
私なりに解決策を探そうとググりまくっとったら【上の子愛せない症候群】なんて言葉が出てくるぐらいよくある事みたいで、そんなに悩む必要ないんかなって。
深く考えるんじゃなくて、私頑張っとるし!って自分を認めてやっていこうと思ったよ。
せれの事ほんまはめっちゃ好きやからこそ悩むんやし。— マリキティ (@marikitty813) December 5, 2014
あなたは大丈夫?上の子愛せない症候群8つのチェックリスト
上の子を愛せないと思うママの症状は個人差はあると思いますが、以下に当てはまるものがないチェックしてみましょう。
当てはまる項目が多い場合は、「上の子愛せない症候群」である可能性が高いと言えます。
チェック1、上の子のちょっとした言動にもイライラしてしまう
下の子が生まれる前までは、何とも思わなかったことも、何故かイライラしていまいます。
チェック2、声を荒げて上の子を怒ってしまう
無意識に大きな声で上の子を怒ってしまいます。
チェック3、上の子と接することでさえうっとおしく感じてしまう
上の子が甘えてきたりする時でさえ、上の子の存在自体が何故かうっとおしいと思ってしまいます。
チェック4、上の子に手をあげてしまう
怒りの感情の赴くままに、上の子を叩いたりしてしまいます。
チェック5、子供は一人でも良かったと思う
上の子だけしかいなかった生活が下の子が生まれたことで慌ただしくなり、一人で良かったとさえ思ってしまいます。
チェック6、上の子に八つ当たりしてしまう
疲れや不眠も重なり、イライラが募ると何でもないのに上の子にキツクあたってしまいます。
チェック7、同じ失敗やいたずらを上の子と下の子がしても、上の子だけ怒る
二人とも悪いと頭の中で分かっていても、上の子だけを怒ってしまいます。
チェック8、“お兄ちゃんなんだから”“お姉ちゃんなんだから” が口癖になっている
上の子だから、我慢させたりするのはしょうがないと無意識に思っているかもしれません。
「上の子愛せない症候群」の原因
“下の子が生まれてから、きょうだいが出来て良かったと思ったのも束の間、何故か上の子が全然可愛く思えなくなってきた”と思ったことありませんか?
我が子を愛せないなんて、家族にも友人にもなかなか言えずに、一人思い悩んでいる方もいるはず。
「上の子愛せない症候群」に陥ってしまうということは、個人差はあるかと思いますが、いくつかの原因が考えられます。
原因1、産後の疲れ
産後の疲れもきちんと取れないまま、病院を退院後すぐに二人の子供の育児が始まります。
一人子供が増えれば、当然育児をする時間も2倍掛かります。
育児や家事をこなしながらも、赤ちゃんのお世話であまり眠れなかったり、ママは心身共に疲れ切っています。
そんな中、上の子がワガママを言ったり、言うことを聞かないとなるとママはイライラしてしまいます。
原因2、上の子の赤ちゃん返りやイヤイヤ期
上の子と下の子の年齢差は2歳以上になるかと思われますが、大半のきょうだいは下の子が生まれた時には、上の子はきちんと自分の意思があって、物心もついていることでしょう。
ただでさえ疲れているママに、追い打ちをかけるような上の子の赤ちゃん返りやイヤイヤ期。ママはついイライラして、上の子に怒ってしまいます。
原因3、ホルモンバランスの乱れ
産後のママの身体の中では、出産前の身体に戻ろうとホルモンバランスが大きく変化します。
その変化に身体がついていけず、情緒不安定になったり、よく眠れなかったり、頭痛がするなど、身体に様々な不調が出てきます。
原因4、生活環境の変化によるもの
今まで上の子だけと一緒だった生活が、下の子が生まれてから一変します。
上の子がお腹が空いていても、下の子が愚図ってすぐにご飯を作れなかったり、下の子がなかなか寝付けなくて、上の子が眠れなかったりと、二人のペースが異なることで、スムーズに育児を進めることが出来なくなります。
原因5、上の子と下の子を比べてしまう
下の子がいない時は、上の子だけを見ていれば良かったのですが、下の子が生まれると、自己主張してきたり、ワガママをいう上の子と、無垢な下の子をつい比べてしまい、上の子が可愛くないと思いがちです。
原因6、ママに余裕がない
家事と上の子と下の子の育児をこなさなければならず、子供たちが寝るまでママは時間に追われる日々。ママの気持ちにも余裕がないと、ちょっとしたことでもイライラしがちです。
「上の子愛せない症候群」の対処法
「上の子愛せない症候群」の傾向があるかもしれないと思ったら、日常生活にちょっとしたことを取り入れることで、上の子との関係を改善することが出来ます。
対処法1、上の子と二人だけの時間を作る
下の子を少しの時間でもいいので、夫や実家などに預けて、図書館でもスーパーでも、上の子と二人だけで出掛けてみましょう。
上の子は久しぶりにママを独占出来たという嬉しい気持ちと、ママは下の子の育児から離れることでいい気分転換にもなります。
対処法2、一日に一度は上の子を抱きしめてあげる
赤ちゃんじゃないといっても、上の子だってまだまだ子供です。ママの愛情をたっぷり欲しくて、寂しくてたまらないのです。
人は抱きしめられると安心感を得ることが出来ます。眠る前でもいいので、上の子を優しく抱きしめてあげましょう。
対処法3、“大好きだよ”と声に出していう
たとえ、上の子が今“可愛くない”と思っていたとしても、上の子に対して“大好きだよ”と声に出して愛情表現をしてみましょう。
そうすることで、上の子は自分が愛されていると感じて、不安定な精神状態も落ち着きます。
対処法4、上の子の小さい頃の写真やDVDを観る
上の子の小さい頃の画像を観ると「ああ!こんな可愛い時期もあったよね」と可愛いと思っていたことを思い出して、優しくなれるかもしれません。
上の子と一緒に小さかった頃のDVDを観て、赤ちゃんの頃は下の子と同じように“とても可愛がっていたんだよ”と伝えるのもいいですね。
対処法5、話をきちんと聞いてあげる
上の子に対して“ちょっと待って”とばかり言って、上の子の話を聞いていないということはありませんか?
どんなに忙しくても、わずかな時間でも構わないので、きちんと上の子の話を聞いてあげましょう。
対処法6、時々は上の子を優先してみる
どうしてもお世話に手間がかかる下の子を優先してしまいがちですが、たまに上の子を優先に過ごしてみましょう。
自分が一番なんだと上の子は嬉しい気持ちになります。
いつかきっと愛せる日がくる
今まで全ての愛情を一番に受けていた上の子は、下の子の誕生によって嫉妬から、感情のコントロールが難しく、ワガママを言うこともあるでしょう。
ママだって人間です。毎日そんなワガママに大らかに対応することは難しいかと思います。
しかし、もし「上の子愛せない症候群」かもしれないと思っても決して焦ることはありません。「上の子愛せない症候群」は、一過性のことで、必ず乗り越えられるものです。子供の成長と共にママも成長します。
上の子がどうしても可愛いと思えない、愛せないと感じたとしても、決して自分を責めないであげて下さい。
時が経てば、上の子と下の子の愛情の差を感じることなく、いつか上の子をきっとまた愛せる日がくるはずです。今の自分を受け入れて、“きょうだいがいて本当に良かった”と思う日がくると信じて、乗り越えていきましょう。