婚姻届を出していない男女の間に生まれた子どもを「婚外子(こんがいし)」と呼ぶのですが、この「婚外子」が日本以外の先進国で増えているというのです。
結婚して子どもを産んで…という結婚制度はもはや崩壊寸前なのでしょうか。
日本以外の先進国でなぜ婚外子が5割ほどにも増えたのかその背景に迫ってみましょう。
[co-7]婚外子とは
婚姻届をだしていない男女から生まれた子どものことで、法律上では非嫡出子(ひちゃくしゅつし)とも呼ばれます。
婚外子になるきっかけとなるものには、結婚をしたいとは思わないが子どもだけは欲しくて生んだケース、不倫関係にあったがその妻が離婚に同意しないためやむを得ず婚外子として生んだケース、夫婦別姓を望むため婚姻届を提出しないで事実婚状態として生んだケースなど理由は様々です。
戦前は日本も婚外子が多かった
戦前は一夫多妻のような習慣が残っていたため日本でも婚外子も多かったのですが、戦後急速に婚外子の比率は低下しました。
日本以外の先進国と日本との婚外子の割合の差
上のグラフは世界各国の婚外子の割合を表したグラフです。
日本は1980年の0.8%に対し2008年には2.1%に上昇したものの世界的にみるととても低い割合ですね。
注目したいのはスウェーデンとフランスでは婚外子が50%を超えています。
なぜ出生数の50%以上にも婚外子が増えたのでしょう。
50%を超えているスウェーデンとフランスの現状をみていくことにします。
スウェーデンのサムボ制度
スウェーデンにはサムボ制度というものがあります。
これは事実婚や同棲の制度で、同じ住所で一緒に生活をし性的関係をもつ男女への制度です。
サムボ制度を利用しているカップルは多く婚姻届を出した人達の9割がサムボを経験しています。
一緒に住み結婚へのお試し期間として機能している制度とも言えますね。
またサムボカップルの間に生まれた子どもは婚外子となるのですが、婚外子に対する法律上の差別というものはなく、結婚している人達の間に生まれた子どもと同じように権利が保障されているのです。
婚外子の割合が54.7%のスウェーデンでは未婚のまま子どもを生むことが社会的にも受け入れられているのですね。
フランスのユニオンリーブル
フランスではユニオンリーブル(自由な結合)を選ぶカップルが一般的です。
昔のフランスは「結婚=家族」でしたが、今では法的な束縛のない共同生活が選ばれています。
日本でいうところの事実婚です。
フランスでは結婚と事実婚での差がほとんどありません。
事実婚のカップルの間に生まれた婚外子も差別を受ける状況におかれることはないのです。
[co-8]日本はなぜ婚外子が少ないのか
日本以外での先進国で婚外子が増えている現状をどのようにとらえますか?
もはや「結婚」そのものが崩壊しつつあると思えてきませんか?
なぜ日本では他の先進国より婚外子がこんなにも少ないのか…。
それは婚外子の多い国に比べて婚外子を守ってもらえる安心がないからではないでしょうか。
子どもを産みやすい社会ではない?
日本にも「結婚はしなくても子どもだけは欲しい」と考える女性がたくさんいます。
しかしシングルマザーで子どもを養っていくのは経済的にとても厳しいのです。
保育園の待機児童の問題もありますよね。
シングルマザーに対し経済的に手厚く保護すれば少子化問題も改善されていくでしょう。
子どもを産みやすい社会を
いかがでしたか?
結婚という形式にとらわれずに事実上の家族になる日本以外の先進国の考え方は、日本ではまだまだ賛否両論あるかと思います。
ただ婚姻関係を結ばないでも子どもにとって幸せな家庭があることは変わらないのです。
結婚している夫婦から生まれた子ども同様にきちんと保護されている社会であれば差別を受ける状況にはおかれないですし、親が離れるようなことになっても育てやすい環境で育っていくことができるのです。
日本ではまだまだ遠く先の長い話なのかもしれませんが、日本以外の先進国でのこのような状況や「こんな考え方もあるのだな」と知っておくのは良いことなのかもしれませんね。
少子化問題や子どもが育てやすい社会になるよう心から祈るばかりです。
[co-9]
8歳男の子と6歳女の子のママしてます。どちらもプチ反抗期中!大変ですが毎日楽しく育児してます。