世の中の女性の100人に1人の割合で、「子宮奇形」があるそうです。
自覚症状はあまりなく、気付かず、大人になる人が多く、たまたま婦人科で検査したときに子宮奇形が発見されたりというケースが多いようです。
子宮奇形とは
通常は1つの膣と1つの子宮がつながっているのですが、子宮奇形はそうとは限りません。
子宮奇形には5つのタイプをはじめ、様々な種類があります。
1.重複子宮(ちょうふくしきゅう)
独立した子宮が2つあり、子宮口も膣も2つ存在するもの。
2.双角双頸子宮(そうかくそうけいしきゅう)
1つの子宮の中に2つの内腔が存在し、子宮口も2つあるもの。
3.双角単頸子宮(そうかくたんけいしきゅう)
子宮自体がハートの形をしていて、子宮内腔がくびれているもの
4.完全中隔子宮(かんぜんちゅうかくしきゅう)
子宮の形は正常でも内腔に壁があるもの。
5.不完全中隔子宮(ふかんぜんちゅうかくしきゅう)
内腔の壁が不完全なもの。
6.弓状子宮(ゆみじょうしきゅう)
子宮の上のほうの子宮底部がややくぼんでいるもの。
7.単角子宮(たんかくしきゅう)
子宮が形成される過程で片側だけが欠損していたり、形成過程の痕跡だけ残したものがのこっていたりするもの。
子宮の大きさが通常の半分の大きさしかないこともある。
子宮奇形が及ぼす症状とは
上記であげたような、子宮奇形があると、通常の妊娠出産とは違う症状が出てきます。
症状1、流産・早産を起こしやすい
症状2、出産時、微弱陣痛になりやすい
症状3、出産後、子宮の戻りが悪くなりやすい
症状4、子宮奇形の他に尿路系の奇形を伴っている場合が多い
子宮奇形を発見する方法は?
自覚症状のない子宮奇形ですので、なかなか普段の生活を送っていて発見することは難しいのが現状です。
ではどういった方法で発見することができるのでしょうか。
1.ブライダルチェックや不妊検査
結婚前に受ける人が多くなってきたブライダルチェックや、結婚後妊娠しづらいなとおもって受ける不妊検査などで発見されるケースがあります。
2.子宮がん検診などの検査
女性なら定期的に受けるがん検診で、発見されるケースがあります。
子宮奇形の検査方法
1.子宮鏡検査
子宮内を検査するために行うもの。直径3~5ミリほどの細いファイバースコープで子宮の内部を観察します。胃カメラのようなものをイメージするとわかりやすいかと思います。
主に、子宮筋腫や子宮内膜ポリープ、子宮奇形や癒着の有無を確認するために用いられる検査です。
2.子宮卵管造影法
子宮に通じる卵管が詰りがなくポリープなどもないかなどを見るためにする検査です。
造影剤とレントゲンを使い、普段は見分けのつかない部分に影を付け画像を見やすくする造影剤を使い、レントゲンでくまなく確認します。
3.超音波検査
超音波検査(エコー検査)は超音波を対象物に当ててその反射を映像化することで対象物の内部の状態を調査することのできる画像検査法です。
超音波とは、人の耳で聞こえる音より高い周波数の音のことをいいます。
4.腹腔鏡検査
お腹から腹腔鏡を挿入して腹部内部を観察する検査です。
子宮の状態を観察でき、そのまま治療も可能です。
5.MRI
強力な磁石で出来た筒の中に入り、磁気の力を利用して体の臓器や血管を撮影する検査です。
特に脳や脊髄、四肢、子宮、卵巣、前立腺などの骨盤腔に生じた病気を調べる時に用いられ、有力な検査方法の1つです。
子宮奇形でも自然分娩はできる
子宮の変形の度合いなどで、赤ちゃんが通常より小さく生まれてしまうケースがあるものの、一人一人特徴の違う子宮奇形での出産は、事前にしっかりと医師と相談、検査し、医師の指導を守れば、状態によっては自然分娩も可能です。
いかがでしたでしょうか?
人には様々な顔があり、様々な体格の差があるのと同じで、子宮の形も人それぞれです。
子宮奇形だからといって、落ち込まず、まずは、きちんと病院で調べ、自分の子宮奇形の形を知り、特徴を把握することが、安全な妊娠・出産への一歩だと思います。